唐突だが、日本の歴史には、明治維新、という特殊な一時代がある。政治、文化、風俗すべてが急速な西洋化を目指し遂げた時代である。

一カ月に渡り全世界を席巻したロシアでのサッカーワールドカップも、戦前候補三指に挙げられたフランスの優勝で幕を閉じた。決勝戦としてはやや不可思議な試合ではあったが、それは今大会から採用された新システムによる影響の及ぼすところだったので、大会本部としては触れられたくない一面ではあるだろう。いずれにしても小国クロアチアが大国フランスに真っ向から挑み、跳ね返されながらも最後まで突き進んでいった姿勢は、電波を通じての10億人、生で観戦した8万人の胸を打ったことは確かである。MVPは敗れたクロアチアからモドリッチが選ばれたことからもそれを証明している。

この場で大会を総括するつもりはないが、決勝戦前夜に行われた3位決定戦では、日本が表現に苦しむ敗戦を喫したベルギーがこちらは大国イングランドに打ち勝った。

ということは、ベスト4にはヨーロッパ4国が揃ったことになり、個人的に残念ではあったが南米ブラジル、アルゼンチンの姿はなかった。

今大会の勝因の多くは、スピードとフィジカルだそうだ。かつてのスキルフルなサッカーを未だ求めているファンには少々物足りないものを感じさせるが、ん!?日本にもそれをくどいほど強調し続けたエキセントリックな監督がいたのでは?大会前に選手とのコミニュケーション不足が理由とやらで解雇されしかも本戦出場の権利を得たにもかかわらず協会から追い払われたという不遇な?その人は、実は今大会を予測予言でもしていたかのように、日本が世界に足りないものをまさに補おうとしていたのである。伝え方にいろいろ問題はあったにせよ、彼のポリシーは正しく、最終的に日本のサッカーは世界水準以下であったことは否めない。全四試合一勝ニ敗一分という成績は、アフターザフェスティバルとなったいまでは波にさらわれてしまったように静かな結果に落ち着いてしまった気がする。

一方で、ベスト8も手の届くところまでにきた。という感じもなくはない。そう考えると、ワールドカップは夢のまた夢、という時代から、あと17秒耐えきれば初出場が叶う、までに追い詰めたのが25年前。そしてそれから4年後勝てば出場負けたら終わりという勝負で捥ぎ取ったジョホールバルでの歓喜。その後はアジアの王者としてその地位を築き、ワールドカップ出場は当たり前の存在となった。日本サッカーは四半世紀でここまでの歴史を積み上げてきた。

そしてここから…日本サッカーはやはり急激なかつ本格的な西洋化が求められるときが来たのではないか。選手はみな欧州に旅立つが、消息を明らかにしている(笑)選手は一握りだ。他方、ベスト4国の選手のほとんどは欧州各リーグの中核を為している。

維新の志士たちは貪欲に西洋の文化を学び持ち帰った。いまや欧州に旅立つ選手たちの役目は入団の名誉などではない。高いレベルでの戦いを身を以て経験し、それを日本サッカーに還元して欲しいと思う。そう、身を以て経験したレベルを、だ。

書こうか辞めようか、若干の逡巡があった。ここで素人が語ったところでただの自己満足にしか過ぎないことになるだろう。だが、寝不足で過ごした日々を記憶だけで終わらせるのはもったいない気がした。今大会は個人的にはかなり楽しめた。日本の活躍もさることながら、世界のサッカーが、いわば、スペクタクル過ぎた。言語的に適さない表現だが、それが本音である。6時間の時差はきつかったが、今日が終わっても明日がまたある楽しみ、が日常を変えた(笑)

次は、因縁の地カタールでの開催になる。また時差の問題が解決しない、なら、いっそ乗り込んでしまおうか!25年前には未完の建物が街中溢れていたが、いまはその全てが建ち並び近代国家を形成しているのだろう。そして、あのとき彼の地でピッチに倒れ込んだ献身的ミッドフィルダーが今度は監督としてリベンジ以上のものを抱き指揮する、などに思いを馳せながら気の抜けた毎日を過ごしているのはわたしだけではないだろう(笑)             乱文失敬